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おい今村!

その日も俺はチャイムギリギリに教室に飛び込んだ。
昨日席替えしたことを忘れて席を間違えそうになったが、フラフラとした足取りでなんとか自分の席についた。
向かって右から3列目の一番前の席だ。教卓のまん前。最悪だ、と昨日の放課後と同じくため息を漏らす。
しかも隣の席は、チャラチャラしたグループの中心的な存在である、竹内みほだ。
これはもうため息が止まらない。ただでさえ憂鬱な学校生活が余計辛くなってしまった…。
しかし両親は無駄に厳格で、40度の熱でも出ない限り休ませてはもらえない。
だからどんなに居心地が悪くても、俺は毎日通わざるをえないのだ。

突然周りがざわつき始めたかと思うと、廊下でプロレスをしていた山本と島田が慌てて教室に戻ってきた。
どうやら先生が来たようだ。

『はぁ…眠い…』

昨晩テレビゲームで夜更かしをしてしまい、俺は机の上にだらしなく突っ伏していた。

ガラガラガラ ピシャッ 「起立!」

欠伸をしながらダラダラと立ち上がり、眼を擦りながら顔を上げる。

『ん!!? なんだ?!』

さっきまでボーッと微熱を帯びていた頭が、真冬の寒空で氷り水をぶっ掛けられたかのように一瞬で冴え渡った。今なら苦手な方程式の文章題も楽々解けそうな気がするぞ。
いや、それはいいとして、いまいち状況がよく飲み込めないが、明らかにおかしいぞ。
これは皆を笑わせようとしているのだろうか…。ギャグなのか!?

「どうしたの?着席よ?」

呆気に取られた俺は着席の号令にも気づかず、その場に立ち尽くしてしまっていた。
慌てて椅子に座る。

「どうしたの?様子が変じゃない」

「いえ…別に」

様子が変なのはアンタだ!と鋭い突っ込みを入れてやりたかったが、そんなキャラでもないし、これ以上浮きたくもないのでグッと堪える。
それにしても一体なんだと言うんだこれは。だいたい何故誰も反応しないんだ?
どう見ても突っ込みどころありまくりだろ!

怪訝そうな表情で一限の国語の教科書をカバンから取り出した。
しかしどうしても合点がいかない。俺は勇気を出して後ろの田中に話しかけることにした。
いや、ようとしたが結局断念した。やっぱ無理だ。うん絶対無理。いやしかし…

『ねぇ、今日の今村先生かなり変じゃね?』

余裕じゃんこんなの!マジヨユー♪

横目で田中の様子を伺う。

「…」

いかん!気づかれた!

咄嗟に机の横にかけたカバンをいじってごまかす。
なんて意気地がないんだ俺は…。


「こらっ!ちゃんとノート取ってる?授業に集中しないとダメよ!」

「あ、す、すみません…」

『あんたのせいだよ!いったいなんなんだよソレ!』俺は心の中で叫んだ。
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